人形劇「ざわざわ森のがんこちゃん」の設定の闇が深いと話題になっています。
その話題のきっかけとなったお話が、『ざわざわ森のがんこちゃん エピソード0』です。
今回は、『エピソード0』のあらすじと、そこから考えられる裏設定、
視聴者に宛てたメッセージを読み解いていきたいと思います。
「ざわざわ森のがんこちゃん」はどんな話?設定は?
そもそも「ざわざわ森のがんこちゃん」はどのような設定の話なのか、簡単に紹介します。
環境汚染の影響で一部の地域を除いて地球は砂漠化し、人類は既に絶滅していた。
そこではかつて人間による遺伝子操作によってつくられた高度な知能を持つ恐竜などの動物達(サソリやカタツムリ、キノコや木、あるいは河童などの架空の動物をベースにした生物もいる)が、
人類に代わり、地球で文明を営んでいた。
「ざわざわ森のがんこちゃん」は都会から、まだ自然が残る「ざわざわ森」へ引っ越してきた恐竜一家と、その仲間達の物語である。
いきなり「人類滅亡」と出てきたので、驚きますね。
ざわざわ森は、地球とは違う惑星にあるのではなく、私達が住む地球に存在し、
今よりもずっとずっと先の、人類が滅亡してからのお話だそうです。
がんこちゃんを始めとした、物語に登場する動物たちは、人間が遺伝子操作で作り出した動物だったのですね。
がんこちゃん『エピソード0』のあらすじは?
がんこちゃんが現代(がんこちゃんたちが住む時代)から、人間が滅亡する直前の時代へタイムスリップし、
砂の巨人に襲われている人間の兄妹2人(兄:シン、妹:スイ)を助けます。
(兄妹の父は水を求めて外へ、母は行方不明)
そこから仲良くなった兄妹と、がんこちゃん。
笑って楽しく遊んだり、サボテンの天ぷらを一緒に食べたりします。
しかし、妹のスイは感情を表に出しません。
2人の両親から、「ケンカする事は良くない」と教えられているからです。
翌日、サボテンを取りに外へ出ようとしたスイとがんこちゃん。
兄のシンはベッドから出ようとしませんでした。
2人が家を出た後、シンは「さようなら、スイ。」とつぶやきます。
ここでシーンが変わり、水を求めていた兄妹の父が映りますが、
ざわざわ森(オアシス)に到着し、喜んだ瞬間に目の前が真っ暗になり、倒れます。
この後、父が出てくることはありませんでした。
外から帰ってきたスイとがんこちゃんは、シンが居なくなっていることに気付きます。
シンが居たはずのベッドの上には砂が残っていました。
「お母さんがいなくなった時も砂がいっぱい家の中にあった。」と言うスイ。
そしてロボットは「シンはお母さんのところに行った」と告げます。
その後、スイはこの世界に残り、がんこちゃんは現代へ戻りました。
「人間の友達ができた」とツムちゃんに自慢します。
そして砂漠を見つめ、「二人は遠いようで近い存在」と語られて、風で砂漠の砂が飛びます。
最後にがんこちゃんがくしゃみをして、一緒にいたツムちゃんと砂が吹き飛び、
おなじみのオープニングテーマが流れ出しました。
がんこちゃん『エピソード0』から読み取れる裏設定とは?
先ほど紹介したあらすじで、感じられた方も多いとは思いますが、
ここから読み取れる裏設定を紹介します。
砂漠は人間の成れの果て
がんこちゃんが出会った兄妹の父・母、そして兄のシンは、砂になってしまいましたよね。
タイムスリップした先は、「人類滅亡の直前」なので、
初めに兄妹が襲われていた砂の巨人も、元は人間だったのですね。
人間は感情が高ぶると砂になる
水を探し求め、オアシスを見つけて大喜びした兄妹の父、
がんこちゃんに出会い、楽しく喜んで遊んだ兄のシン。
この2人が砂になってしまったのに、
「感情を表に出さない」妹のスイは砂にはなりませんでした。
つまり、この地球では、
兄のシンがベッドから出ず、「さよなら」とつぶやいたのは、
すでに足元が砂と化していたからでは?と想像します。
友達になった兄妹は「遠いようで近い存在」
ざわざわ森は砂漠に囲まれて位置しています。
「砂漠=元は人間」なので、タイムスリップでがんこちゃんと友達になった兄妹も、
砂になり、砂漠としてすぐ近くに居ますよね。
そんな「遠いようで近い存在」なのでしょう。
オープニングテーマの歌詞の闇
がんこちゃんのオープニングテーマの歌詞の中に、
飛んでいったのは、目に見えて生きている友達だけではないようです。
あらすじの最後で、がんこちゃんがくしゃみをして、
砂とツムちゃんが飛んでいったのが、まさにそのとおりだと思います。
がんこちゃん『エピソード0』の視聴者に宛てたメッセージ
この設定を通して、私たち視聴者に何か強いメッセージを感じますよね。
#がんこちゃんエピソード0 観やした
がんこちゃんの物語、実は人類滅亡後の地球という世界観
この話は警鐘。
資本主義絶対、公正・平等の迷走、自然破壊
森がざわざわしてるのに
かたくなに変わらない、
私たち人間が「頑固ちゃん」
ってこっちゃな!
母なる地球から子の人間に対しての「ちゃん」 pic.twitter.com/9WY9d1lgSQ— Sazh (@sazh_katzroy_) January 13, 2019
ざわざわ森=森がざわざわしている=環境破壊による自然のざわつき
がんこちゃん=「頑固ちゃん」=頑なな人間のこと
そう考えると、地球の将来が砂漠になってしまっている設定は、深すぎますよね。