大物俳優・香川照之さんが演じる「カマキリ先生」が初めて作詞され、
NHKの『おかあさんといっしょ』2019年6月の歌として登場しました。
歌のタイトルは『はらぺこカマキリ』です。
この歌詞の、優しいカマキリくんの切なさが話題となっているので、
今回は歌詞の紹介と、その歌詞に込められたカマキリ先生(香川照之さん)の気持ちを分析・紹介します。
カマキリ先生が何者なのかを知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
カマキリ先生が作詞!『はらぺこカマキリ』の歌詞とは?
(↑動画ではありません)
歌は3部構成で、
お腹を空かせた「はらぺこカマキリ」が、動くもの(他の虫)=食料を探します。
その食料候補が ①アリ ②ハチ ③セミ の3匹です。
しかし、カマキリくんはどれも食べられずに我慢してしまいます。
カマキリ先生の歌の意味① 「アリさん」が食べられない
それでは、カマキリくんがアリさんを食べられなかった理由を分析していきます。
でもでも ぼくはしっている
じぶんより おもーいもの
どこまでも はこぶよ
かぞく なかま みんなのためあー やっぱりアリさんたべられなーい
という歌詞にもあるように、
お互いがお互いのために一生懸命支え合って生きる姿を見たカマキリくんは、
そんなアリさんが食べられませんでした。
作詞者・カマキリ先生は『香川照之の昆虫すごいぜ!』という番組で、
実際にアリになりきって葉っぱ運びをしています。
このあと、全身筋肉痛になったカマキリ先生。
重いものを運び続けるアリさんの苦労を身にしみて体験されました。
また、老眼鏡+虫眼鏡という完全装備でアリさんをじっくり観察、
アリさんの社会を長時間説明されるというアリさんへの深い愛情も見られました。
こんなにアリさんを愛するカマキリさんが、アリさんを食べられる訳がありませんね。
カマキリ先生の歌の意味② 「ハチさん」が食べられない
続いては、カマキリくんがハチさんを食べられなかった理由を分析していきます。
でもでも ぼくはしっている
ハチさん みつをはこぶから
みがなる はながさく
だから もりが うつくしいあー やっぱりハチさんたべられなーい
という歌詞にもあるように、
たくさん蜜を集めて巣へ運ぶ過程で、花の受粉を助けます。
その結果、実ができ、次の花が咲き誇り、森全体が美しくなる。
そんな働きをするハチさんを、カマキリくんは食べられませんでした。
作詞者・カマキリ先生は『香川照之の昆虫すごいぜ!』という番組で、
自分でクマバチを捕獲し、触った感触を「何万円もする羽毛布団」と表現されています。
また、クマバチのかっこよく飛ぶ姿はマットジャイロと表現されています。
カマキリ先生の世代がわかる表現ですね。
これほどかっこいいハチさんを、カマキリくんが食べるはずがありませんね。
カマキリ先生の歌の意味③ 「セミさん」が食べられない
3つ目として、カマキリくんがセミさんを食べられなかった理由を分析していきます。
でもでも ぼくはしっている
つちのなかで なんねんも
ずっと じっとまってる
たった ひとなつ うたうためあー やっぱりセミさんたべられなーい
という歌詞にもあるように、
外に出ているわずかの間に、一生懸命鳴く(うたう)のですよね。
そんな生き方のセミさんを、カマキリくんは食べられませんでした。
作詞者・カマキリ先生は『香川照之の昆虫すごいぜ!』という番組で、
クマゼミに宛てて熱いメッセージを伝えられました。
カマキリ先生が10歳のときは木の上の方に止まっていたクマゼミも、
(5段階の虫取り網で捕まえるのがやっとの高さ)
今では手で届くほど低い場所にとまっている残念さを伝えられました。
また、クマゼミの生息地域においても、
昔は西日本でしか見られなかったが、現在は全国に生息してしまっている。
それらの原因は温暖化にあるといい、カマキリ先生は人間を代表して、
クマゼミに対し、誠心誠意、謝罪されました。
これほど真剣に向き合うセミさんを、カマキリくんが食べられるはずがありません。
カマキリ先生の歌の意味④ 「はらぺこカマキリ」は香川照之さん自身?
ここまで「はらぺこカマキリ」の歌詞を分析して分かったことは、
カマキリくんは、香川照之さん=カマキリ先生自身なのではないか?
ということです。
アリ・ハチ・セミを始め、昆虫全てを愛するがゆえに、結局何も食べられなかった「はらぺこカマキリ」。
カマキリ先生自身は、
自ら捕まえたカブトムシの幼虫2匹に「つるぎ」「ほだか」と名前を付け、
「感謝の心を忘れない子に育てたい」と願いました。
こんな優しいカマキリ先生だからこそ、「はらぺこカマキリ」の歌詞が書けるのだと確信しています。
今後もカマキリ先生の活躍に期待したいと思います!